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"COOL"なフクオカを世界に発信:ネットTVの小さなブランド<COW テレビジョン>

2012年08月01日

"YOU TUBE"の『ゆ』の字もないころから、動画を使ったインターネットサービスに着手したチームがいる。ネットTVでありながら、とことん『九州の人・モノ・情報』にこだわる、まるでローカルTVのようなテレビ局。発足から僅か4年で、九州ナンバーワンのコンテンツホルダーになり、今では知名度も上々。地域・業界で、まさに "小さなブランド"と呼べる存在だ。

「ゼロ」を「イチ」にできたのは、偶然でもなければ、時代の波に乗ったからでもない。たくさんのファン、最大の理解者である妻、そして『お金』ではなく『理念』でチームにジョインしてくれた若きスタッフたちと一緒に過ごした、ハードだけど楽しい日々の賜物だ。

父親のひとこと:『得意なことで起業するなら認めるよ』

学生時代のころから、「自分の頭で考えているモノを映像化して視聴者に訴えかけることで、視聴者が涙したり、感動してくれる仕事に、とてつもない魅力を感じた」という同氏。漠然と「いつかは起業する」という意識はあったが、それがいつ、どういう形で起こるのかまでは決まっていなかった。

その“漠然”が突然、ひとつの派遣によって加速する。報道記者として911の現場、グラウンドゼロを訪れたときだ。「『人生って、こんな呆気なく終わっちゃうんだ』ということを思い知りました。そして、『自分の人生は今のままじゃ終われない』という思いに駆られました」

理由は何であれ、エリートコースを歩むモノが“起業熱”にかかったときは厄介だ。本人が良くても、まわりはほとんど“いい顔”をしない。高橋康徳の場合も例外なくそうだった。「なんで?」「どうして?」「できるわけない」・・・

「会社を辞める時、最も気を遣ったのは『妻に対して』でした」
いつも献身的に高橋をサポートする妻でさえ、起業に対しては乗ってこなかった。
「・・・なので、僕にとって最もパワフルな手段である“映像の力”を借りて説得しました(笑)」

その“映像”とは、ある晴れた夏の日、書道家・武田双雲の自宅に若手起業家が集い、書道ワークショップを行い、夢を語り合った様子を収めたものだった。

その映像を見せながら、「こんな人たちとビジネスをしたい」と話した高橋。「これならOKね!」と妻。「お前の性格なら理解できる。がんばれよ」と上司。そして、父親は、こう息子に伝えた。

「得意な分野で勝負するんなら、俺は独立を認めるよ」

「好き」と「得意」を見極めよう!

『PRIDE』という名の起業の敵

高橋の前に立ちはだかった“起業の敵”は、資金難でもなければ、スタッフ不足でもなかった。それは、知らず知らずのうちに本人のカラダに蓄積されていたプライドだった。

「毎日が、『脂肪』のようなプライドを捨てるバトルでした」。タクシーを自転車に代え、「週4〜5回の飲みを1回弱に減らしました。とにかく『自分はリセットしたんだ』ということを“形”から創りあげました。おかげで肝臓の数値が、ずいぶん良くなりました」

スタッフに恵まれているのは「厳しいから」

一方、“起業の敵”と普通ならなりがちな『スタッフ』には、とにかく恵まれた。高橋+学生一人という2トップで始めた<COWテレビジョン>も、今では正社員5名+学生2名という体制。

<COWテレビジョン>は対外的に人員を募集したことは一度もない。今でこそ標準だが、しばらくの間、スタッフに払うことができた給与は微々たるもの だった。でも学生だけではなく、社会人も“向こうから”やってきては、カウTVの門を叩く。「これは誇りです」

<COWテレビジョン>には、ビジョンがある。それは、大企業がつくりがちな『憲法のように小難しい言葉』で書かれたものではなく、誰の胸にもスッと落ちる、極めてシンプルに箇条書きされたものである。また、それを達成するために『毎日どういう行動や発想を心がければ良いのか?』が記されたクレドがある。他にも、“COW DNA”とも呼べる数々のルールが、各スタッフが持つ蛇腹状のカードにまとまっている。このように『スタンダードがある小さな会社』には、そうではない会社に比べ、自然と人も集まりやすいものだ。

『お金』ではなく『理念』についてきてくれたスタッフに、常に感謝の気持ちを忘れない高橋。その証として、ビジョンのひとつには、こう書かれている。『2012年までにシドニーの家を買い取ります』。これは高橋が学生時代を過ごした場所。そこにスタッフ全員が自由にアクセスできるサテライトSOHOを整えたいそうだ。

それでもやはり「大企業を辞めてよかった」と思う瞬間

それでもやはり「大企業を辞めてよかった」と思う瞬間

弁護士のサイトや、家具のサイトなど、<COWテレビジョン>が動画を制作したことで、売上が飛躍的にアップした事業は数知れず。某県知事よりもずっと前から、九州には優秀なセールスパーソンがいたのだ。

映像を通じて、「『人の背中を押す仕事っていいなぁ』と感じたとき、僕はこの仕事を選んで本当に良かったなと思います」と、幸せそうに話す高橋康徳。その表情は、日本の30代男性には、なかなか真似できない。“自分の人生を生きている人”だけに与えられる顔だ。

成功する起業は結局「困り事」の解消

取材協力:株式会社カウテレビジョン 高橋康徳さん

〜 2007年9月号より 〜

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